【ブログ】6月日銀短観:総じてネガティブな印象


日銀短観が公表されました。
総じてネガティブな印象ですが、ポイントについてお知らせいたします。

ポイントは、

①大企業製造業DIは2期連続の下落
②多くの産業で先行きのDIは悪化している
③計画において、売り上げは上方修正も、利益計画は下方修正

となったことです。

以下、概要をご覧ください。


1.日銀短観とは?

短観とは、正式名称を「全国企業短期経済観測調査」といいます。統計法に基づいて日本銀行が行う統計調査であり、全国の企業動向を的確に把握し、金融政策の適切な運営に資することを目的としています。全国の約1万社の企業を対象に、四半期ごとに実施しています。

短観では、企業が自社の業況や経済環境の現状・先行きについてどうみているか、といった項目に加え、売上高や収益、設備投資額といった事業計画の実績・予測値など、企業活動全般にわたる項目について調査しています。

短観で使われている「D.I.」(ディー・アイ)とは、Diffusion Index(ディフュージョン・インデックス)の略で、企業の業況感や設備、雇用人員の過不足などの各種判断を指数化したものです。

 

2.大企業DIの状況

以下の表は日銀が公表した短観の大企業・製造業と大企業・非製造業のDIの推移を示しています。
その特徴は以下の通りです。

✓ 6月の短観における大企業製造業DIはプラス21ポイント、3月は24ポイント、12月は26ポイント
✓ 2期連続の悪化となったが、2012年12月以来、5年半ぶり。
✓ 3か月後の先行は、大企業が変わらずの21ポイントとなった(中堅企業は6月:20⇒先行き:16と下落)

大企業・製造業DIが下落傾向であることはネガティブな印象です。

3.産業別状況
以下の表は、産業別のDIの状況を示しています。その特徴は以下の通りです。

✓ 先行きは製造業は変わらず、非製造業が下落とみている
✓ 先行きで10ポイント以上上げたのは、造船のみ
✓ 先行きで10ポイント以上下げたのは、石油・石炭製品、建設、電気・ガス
✓ 高水準で業績が堅調そうなのは、はん用機械、生産用機械、対事業所サービス、対個人サービス

グラフにある先行きの状況を見ると、製造業を中心に3か月後は6月より悪化している産業が多いことが確認されると思います。
(小さな丸の分布状態を見てください)

4.売上計画と経常利益計画の状況

以下の表は、大企業の売上高計画と経常利益計画、そして、為替の想定レートを表しています。
その特徴は以下の通りです。

✓ 18年度売上高計画は6月調査において製造業は+2.5%と3月調査より上昇
✓ 一方、経常利益計画は3月調査の-3.2%から6月調査の-8.6%に悪化した
✓ 想定為替レートは3月の109.66円から107.26円に下方修正されている
✓ 円高への為替レート修正。売り上げは上方修正だが、経常利益の下方修正は為替以外の構造的要因での利益減少があるということになる。
想定されるのは原油高など資源価格高騰の影響や人件費等のコスト増加など。

業績が3月時点より悪化するとみている企業が多くなっているようです。しかも、売り上げは伸びているので、貿易摩擦の影響ではない可能性もあります。貿易摩擦の影響が織り込まれると、その影響はさらに大きくなるかもしれません。

 

 

(注)投資判断はご自身でお願いします。


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