日本海洋掘削は22日、東京地裁に会社更生手続き開始を申し立てて受理されたということですが、これによる株主の影響を考えたいと思います。
原油価格上昇で週明けは原油関連株が強いとも思えるのですが、この影響も考えなければならないことになりました。
日本海洋掘削の概要
日本海洋掘削とは、石油・天然ガスの探鉱・開発に関する海洋坑井掘削およびエンジニアリングが主たる業務。
1968年、設立。海外における石油・天然ガスの探鉱開発に関する掘削工事およびこれに関連する諸工事を行うことを事業目的とする。
（個人的な見解）
日本は資源国ではないとされますが、海洋資源はきわめて豊富といわれています。
コスト面での難しさがあるということですが、将来の日本を支えることのできる可能性のある事業とも考えられます。
日本が海洋資源の発掘・調査等ができなくなるということはないと思いますが、開発等が遅れることも損失になるともいえると思います。
日本近海には、海底熱水鉱床、コバルト・リッチ・クラスト、メタンハイドレートに含まれる鉱物資源が豊富に存在しており、300兆円相当の製品価値があるとされています。
大株主と保有時価総額と会社予想等
以下の表は、大株主と保有株数、保有時価総額、会社予想を示しています。
| 保有比率（％） | 保有株数 （百万株） |
保有時価総額試算値 (百万円、3/30) |
保有時価総額 試算値(百万円、6/22) | 19年3月期 会社予想 （経常利益、百万円） |
|
| 石油資源開発(株) | 30.97 | 5.6 | 11,199 | 7,130 | 9,947 |
| 三菱マテリアル (株) | 20.05 | 3.6 | 7,250 | 4,616 | 79,000 |
| 国際石油開発帝石(株) | 6.4 | 1.2 | 2,314 | 1,473 | 371,000 |
| ジャパン マリンユナイテッド(株) | 3.11 | 0.6 | 1,125 | 716 | ー（注１） |
| 日本トラスティ・サービス信託銀行(信託口) | 2.03 | 0.4 | 734 | 467 | ー |
| 三井造船(株) | 2.02 | 0.4 | 730 | 465 | 18,000 |
| 第一実業(株) | 1.11 | 0.2 | 401 | 256 | 5,400 |
| 三井物産(株) | 1.01 | 0.2 | 365 | 233 | 420,000（注２） |
| 三菱瓦斯化学(株) | 1 | 0.2 | 362 | 230 | 75,000 |
| 東京海上日動火災保険(株) | 0.85 | 0.2 | 307 | 196 | 450,000 |
（注１）JFE 45.93%、IHI 45.93%が大株主
（注２）三井物産の会社予想は純利益。経常利益は開示していないため。
大株主の業績への影響
大株主の業績への影響としては、石油資源開発と第一実業への影響が大きいと推察されます。
保有株の取得価額（簿価）がわらないのですが、以下のグラフを見る限り、ここ10年は2,000円強で推移しています。
18年3月末の株価は2,009円でした。
この3月末の水準を取得価額と仮定した場合、
・石油資源開発は経常利益の会社予想は99億円に対して、112億円押し下げる要因となる
・第一実業は経常利益の会社予想54億円ですが、一割近い４億円の損失となる
と試算されます。
（当然、取得価格が一株当たり、50円程度という可能性もなくはありません）
【日本海洋掘削の株価推移（6カ月、日次）】
株価推移
石油資源開発、第一実業、国際石油開発の三社の株価を見てみましょう。
【石油資源開発の株価推移（6カ月、日次）】
【国際石油開発の株価推移（6カ月、日次）】
【第一実業の株価推移（6カ月、日次）】
投資アイディア
現状、投資アイディアは以下の通りとしてみました。
①素直に、石油資源開発と第一実業を売る
②①に加えて、原油価格下落の影響で株価が下落してきたと考えられる国際石油開発を買う。国際石油開発の業績への影響は軽微と考えられるため。
②については、石油資源開発、国際石油開発の二社の株価は下落するにしても、石油資源開発の方が株価の下落は大きければ問題ありません。もしかしたら、原油価格上昇により国際石油開発の株価は上昇に転じる可能性があるということを想定しています。
国際石油開発にもネガティブな影響がありますが、原油価格の急騰が上昇要因になると考えられます。
（注）投資判断はご自身でお願いします。責任は一切負うことはできません。
個人的には、朝の寄付きの雰囲気を見て状況によって判断を変えることこともあると思われます。
また、正確な情報を提供しようと努めていますが、試算が含まれていることを含めて内容が正確でない場合もありますのでご注意ください。
いつもありがとうございます。
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