【ブログ】6月末各指標が確定!2018年度第1四半期業績を考察する


 


2018年度第1四半期の業績は?~対米は上振れ、対欧州、対新興国は下振れか


 業績について主に為替の影響から考察すると、以下の通りまとめられる。

・対米については、堅調な経済、円安に転じている状況もあったことからポジティブだと推察される
・対ユーロについては、経済は想定よりも軟化しており、円高となっていることから、どちらかといえば想定よりネガティブと推察される
・対新興国については、新興国株安・通貨安が進んでおり、また、貿易摩擦が深刻化していることから想定より悪化している可能性がある

特に中国については、現状、米国が中国のハイテク商品に25%の関税発動(500億ドルのうち、340億ドル分)したが、対中貿易等について業績が悪化する可能性が高い。
実際に、ドイツのダイムラーは6月20日、米国と中国の「貿易戦争」の影響で中国販売台数が下振れすると説明し、業績予想を下方修正している。

企業によって、対米、対欧州、対中国など新興国との事業展開のウエイトは異なっているが、中国など新興国との事業ウエイトが高い企業は業績が下振れる可能性があろう。

米国が堅調ということもあり、また、2018年度第1四半期の業績に与える影響は軽微かもしれない。ただし、2018年度通期の業績を見た場合では下振れる可能性は十分あると考えられる。


2018年度第1四半期の注目点は?~最大の注目点は貿易摩擦


7月下旬から多くの企業が2018年度第1四半期決算を公表することになるが、企業によっては想定と異なる業績であることが確認されるかもしれない。

その想定と異なる業績になりうる要因は、
・貿易摩擦の影響
・原油価格高騰によるコスト増加の影響
・人手不足による人件費増加
が考えられる。

特に、貿易摩擦のネガティブな影響について、実際に数字で確認できること以外に、企業が影響についてどのようなコメントを発表するかが注目される。想定よりネガティブな影響が大きいと市場が受け止めた場合、今後の業績のインプリケーションとして株式市場の下押し圧力となることに注意が必要だと考えられえる。


主要輸出企業の海外事業ウエイトの状況


以下が海外事業が多いという会社の地域別の売上高の比率をまとめた表である。

例えば、村田製作所は部品の需要が多いとされて株価が上昇しているが、この先、堅調な米国のウエイトは少なく、アジア中心であるこの事業ポートフォリオを見る限り、業績が悪化する可能性もあると考えられる。

地域間の経済、為替の変化が大きく生じている現状、地域別の事業ポートフォリオを認識によってこの先の業績が当初想定と異なる可能性がある。

この先、地域別の事業ポートフォリオを認識した上で投資する方がパフォーマンスがよくなる可能性があろう。

【TOP1-25の状況】

【TOP26-50の状況】

(注1) 海外売り上げのウエイトが高いといわれる50社を地域別売上高のウエイトを算出してランキングしている。なお、データは基本的に所在地別セグメント情報における外部顧客からの売上収益の実績を抽出している。
(注2) すべて同じ基準で表示されていないため、一部では中国とその他アジアの合算というような形で表示していることもある。

 

(注)投資判断はご自身でお願いします。


いつもありがとうございます。

 


 

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