【ブログ】「利上げ路線継続に透けるパウエルFRBのご都合主義」のご紹介


みずほ証券の上野さんが
利上げ路線継続に透けるパウエルFRBのご都合主義
というコラムをロイターで執筆しています。
概要等についてご紹介いたします。

サプライズだったのが、
2019年前半にかけて米利上げの打ち止め感が出たときには100円を突破する円高となる
というものでした。

 


概要


・物価安定と雇用の最大化という責任を負うFRBは、現状の失業率や2.0%の物価目標が達成できるという見通しの下では「勝利宣言」をしてもおかしくない。

・しかし、経済のグローバル化やIT革命の影響といった構造的な要因が作用している結果、米国の賃金の上昇は基本的に抑制されたまま。

・イールドカーブのフラット化は進んでいて、現状40bpの2年債と10年際の金利差。利上げが継続されるなら逆イールド化は時間の問題

・逆イールドになればリセッション入りが確実というような因果関係はない。だが、市場参加者の心理が不安定化して株価急落や金融市場全体の動揺が引きこ起こされやすくなることを見逃すべきではない

・FRBのパウエル議長は、財政の拡張に伴う需要への刺激を相当前向きにとらえつつも、景気見通しにはかなりの不確実性があること、賃金の緩慢な伸びがやや不可解だと考えていること、米国の通商政策を巡る懸念が高まっているとの報告があることなどにも言及していた。

・ユーロ圏の統合ベース消費者物価指数は、5月分が前年同月比プラス1.9%で、ECBの物価安定の定義に沿う数字ではある。
ただし、これはエネルギー価格上昇によってかさ上げされた数字であり、持続性が伴っているとは到底言い難い。
また、ユーロ圏の購買担当者指数(PMI)は1―3月期に続いて、4月・5月も低下した。

・米国やユーロ圏の中央銀行が強気な姿勢であるのに対して対照的なのが日銀である。
6月15日に出された金融政策決定会合終了後の対外公表文で、消費者物価(除く生鮮食品)前年比についての現状認識は、「1%程度」から「0%台後半」に下方修正された。
なんとか追加緩和に追い込まれないようにし、「粘り強い」現状維持でしのごうとしている日銀は、明らかに守勢に回っている。

・米国の利上げ局面は終盤だと考えられる。2019年前半にかけて米利上げ「打ち止め」が市場のコンセンサスになる時、ドル円相場は100円ラインを突破するだろう。そうなれば、日銀は「ヘリコプターマネー」的な外形の追加緩和という円高阻止策発動を余儀なくされるだろう.


インプレッション


以下の点については同じ見方をしています。
・逆イールドの可能性(関連記事①)
・ECBの経済統計は弱く、エネルギー価格上昇の影響が出ていること(関連記事②、③)

それ以外の情報として、サプライズだったのが、最後の一文になります。

ソニーフィナンシャルホールディングスの尾河さんは年末115円(関連記事④)としていましたが、上野さんは「2019年前半にかけて米利上げ「打ち止め」が市場のコンセンサスになる時、ドル円相場は100円ラインを突破」を予想しているということでした。
確かに、米利上げが打ち止めとなった時の影響をシンプルに想定すると、円高にふれるということになります。

まだ先の話ですが、注視してみていきたいと思います。

 

(ご参考)
関連記事①:【ブログ】『米国での逆イールドに現実味・・・』の概要とインプレッション
関連記事②:【ブログ】ECB理事会の概要(18年6月):総じてハト派 
関連記事③:【ブログ】週刊経済指標(18/6/11~18/6/15)
関連記事④:【ブログ】「米自動車関税引き上げならドル円はどう動くか」の概要とインプレッション 


いつもありがとうございます。

こちらをクリックお願いしますm(__)m


 


コメントは受け付けていません