【ブログ】ECB理事会の概要(18年6月):総じてハト派



ECB理事会が行われました。
市場はハト派(弱気)と捉え、大きくユーロが売られる展開となりました。

以下でその概要についてお知らせします。

 


決定内容


ECBは以下の内容を決定しました。
①月額300ユーロ規模の資産買い入れを10月から150億円に減額し、年内に終了する方針を決定
②政策金利は少なくとも2019年夏にかけて現行水準にとどまるという見通しを示した

また、今回の理事会では利上げの時期について討議していないと説明しました。

ドラギ総裁は、2019年10月に任期満了を迎えるが、8年の任期中に一度の利上げを実施しないまま退任する可能性が出てきた。


利上げ時期は予想より後退


事前のエコノミストの調査では、19年4-6月に利上げを予想するエコノミストが最多であったが、その可能性が大きく減退した。

これを受けてドイツ10年金利は6月13日の0.48%から0.42%に下落、ユーロも6月13日の130円台から127円台に一気に下落とユーロ安が進行しました。

関連記事:チャート(テーマ別):ユーロ高メリット銘柄(22銘柄)


経済見通しは慎重


ECBは経済見通しを下方修正。慎重な姿勢を見せました。

・経済成長見通し:従来2.4%→2.1%
・失業率:18-20年のすべてで0.1%ずつ引き上げた。
・インフレ率:18年と19年 従来1.4%→1.7%

インフレ率には原油高の影響などを織り込んだ模様ですが、まだインフレターゲットとしている「2%未満でその近辺」を達成する水準ではないということです。

なお、経済見通しについては、「明白な不透明感の高まりがみられると発言するなど、慎重な見方を示した」

こうした点からもハト派的な姿勢が確認された。


今後の展開


まず、ユーロはしばらくは安く推移すると考えられる。

株については、先日、関連記事で『【ブログ】ECBの資産購入停止による影響を考察する』でコメントしていますが、

資産購入停止ということでタカ派となると
①新興国をはじめとして世界経済にはネガティブ
②米株は下落、金や原油が買われる
③日本株はユーロ安ならポジティブ
という見方をしていました。

それが今回はハト派なので、
①米金利引き上げはネガティブだが、ユーロ圏金利引き上げ先延ばしはポジティブ
②米への資金流入という観点では、継続する可能性があるが、これまでは債券が売られたがこれからは買われる可能性がある
③日本株はユーロ安・円高はネガティブ
というのがセオリー通りの見方になると思います。

総じていうと、タカ派寄りハト派の方がポジティブな見方ができると考えています。

ただし、金融政策については、一通りこなしたので、焦点が次のようなのテーマに移行したと考えられます

・米中貿易摩擦
・新興国経済
・米長短金利差(米債ではなく米株へのシフトだったが、今後は米債へのシフトがあるかどうか?)
・企業業績(業績は伸長するか?コスト増などはどのように織り込まれるか?)
・為替(ドル高、ユーロ安)

ご参考:当面、保留のテーマ
・金融政策
・北朝鮮問題
・中東情勢(シリア、イラン核合意)
・原油価格動向
・安倍内閣三選問題


いつもありがとうございます。

こちらをクリックお願いしますm(__)m


 



コメントは受け付けていません