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銅は、送電線・屋内配線・鉄道から自動車まで幅広くしかも大量に使われており、
主因はチリにある世界最大の銅山での労使交渉の影響で供給状況に影響が出るとの懸念が生じているということです。
この影響を受けて、住友金属鉱山、三井金属鉱業、古河機械金属の株価が上昇しているということです。
ここ数日、複数の記事が報じられています。
・銅、3カ月ぶり高値 チリ鉱山で労使交渉長引く懸念 (日経新聞)
・銅・鉛の建値、JX金属など引き上げ(日経新聞)
いい機会ですので、銅に関連する産業の状況などについてみました。平成29年度第10回JOGMEC金属資源セミナーの資料をベースに産業動向をお知らせします。(資料はこちらです。)
銅の特徴:生活インフラや電子機器の基礎パーツなどの需要が高まる
銅は「加工性」「耐腐食性」「導電性」「熱伝導性」「殺菌性」などの優れた特性を持ち、さまざまな用途で使用され、もはや私たちの生活に欠かせない存在となっています。
銅は特に「導電性」に優れていて、強い導電性を求められる電線を始め、電気が使われる場所にはほとんど必ずと言ってよいほど銅という素材が使われています。
パソコンや携帯電話の普及や、乗用車の世界においてもハイブリッド車の需要が高まるなど、こうした生活インフラや電子機器の基礎パーツにおける銅の重要性はますます高まっています。
銅の国別生産量と国別消費量の推移:チリが生産最多、中国が消費最多
☟の表は銅鉱石生産量の推移ですが、国別でみてみるとチリの生産が最多となっております。チリの生産量動向が銅価格に影響を与えるということがこちらの表から理解できます。
生産量はこ2017年は2016年より減少していますが、2000年代から多く増加しています。
☟こちらの表は銅地金の消費量の推移ですが、特徴の一つが中国の消費量が最大であること、もう一つの特徴はその消費量が増加傾向にあるということです。
銅のマテリアルフロー:最終製品は「電線」と「伸銅線」
下の表にある通り、銅の最終製品は「電線」や「伸銅品」として、電気・機械、自動車、通信・電力、建設、金属製品として利用されます。
「伸銅品」とは、銅、銅に亜鉛を加えた黄銅、すず及びりんを加えたりん青銅、ニッケル及び亜鉛を加えた洋白などの銅合金を、溶解、鋳造、圧延、引抜き、鍛造などの熱間又は冷間の塑性加工によって板、条、管、棒、線などの形状に加工した製品の総称をいいます。
例えば、電気・電子部品、建材、エンジン部品、バルブ、風呂釜などに使われています。
☟の表は日本の銅電線需要の推移ということです。残念ながら、中国と異なり横ばいからわずかながらも低下傾向にあるようにみえます。
国内伸銅品の競争力:半導体用リードフレームに強み
☟の表は経済産業省の資料から引用したものですが、こちらの資料にある通り、半導体リードフレームは日本の独壇場ということです。ユーザーニーズへの技術対応力や合金技術と高度な加工プロセス技術が強みとして挙げられるようです。
日経新聞の記事では、以下のように言及してます。
三井金属はスマートフォンなどに使う極薄銅箔の需要拡大が期待されている。極薄銅箔は半導体などのパッケージ基板に使われるが、ここ数年は銅箔の使用量が多いスマホの主基板への導入が進んでおり、三井金属の製品は米メーカーに加えて、韓国や中華系メーカーも採用するもようだ。パッケージ基板向けでも、ビットコインなど仮想通貨のマイニング(採掘)に使う画像処理半導体(GPU)などへの採用が進む。
銅関連銘柄
銅関連銘柄は、株探でまとめています。
当ホームページでも近々テーマ別チャート集に加えますので、少々お待ちください。
・中国の需要に影響を受けやすい銅価格
・高付加価値商品の開発・生産・供給
・電線需要
などが銅関連銘柄の株価に影響を与えると考えられます。
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