ロイターの記事で「イタリアは「ギリシャ化」するか、ユーロ巡る5つの疑問の概要」とポイントをお知らせします。
なお、イタリア情勢についてはその概要を☟でまとめていますので、こちらの方もご覧ください。
【ブログ】イタリアの政情不安の概要(18/5/30)
結論としては、
・ギリシャのような救済を経済規模がギリシャの10倍のイタリアにすることができない。
・ユーロはギリシャがイタリアを離脱しないように圧力をかけるか、説得・後押しする努力を惜しまない
といえるかと思います。
個人的には、ユーロ担当相が離脱派のサボーナ氏なのがリスクだと考えています。
離脱することがないようにうまくマネージできるかどうか、、、大ごとにはならないと思いますが、ご参考までにお知らせします。
以下、概要とポイントになります。
5つの疑問
Q1.イタリアはユーロ圏から離脱するのか?
Q2.ではなぜ金融市場は神経をとがらせているのか?
Q3.イタリアは「新たなギリシャ」か?
Q4.それでもイタリアが支払えない、あるいは支払わないならどうなるか?
Q5.では、そうなる可能性はどの程度あるのか?
Q1.ユーロ圏からの離脱は?
A.絶対にない
(状況等)
EU懐疑派のポピュリズム政党「五つ星運動」と極右「同盟」の反主流派2党が支配する連立政府を率いている。
単一通貨ユーロが経済に与える効果について批判的な両党だが、共同の政策案ではユーロ圏にとどまるとしている。
Q2.金融市場が気にしているのは?
A.財政緊縮から柔軟な財政政策(拡大)を求めていて、債務履行に疑念が生じているため
(状況等)
イタリアはEUが設ける公的債務と財政赤字の基準の限界に達しており、緊縮財政を続けている状況。
これに対して、新連立政権は減税や借り入れや支出を積極的にできるような柔軟さを求めている。
しかし、イタリアが新たに借金をして歳出をすることになると、かつての自国通貨リラへの回帰へ踏み出すことになるのではないかという批判的な見方がある。
このような中、ユーロ離脱強硬派のサボーナ氏が経済相に指名されたことを含めて、イタリアが債務返済を履行する気があるのかということに債権者は疑念を抱いている。
結果、イタリアの10年債利回りは1日、ドイツの同利回りの7倍に達し、プレミアムは1カ月前の2倍以上に上昇した。
Q.イタリアは新たなギリシャ?
A.デフォルトとなればギリシャと異なり救済できない。しかし、様な基盤があり、復活に向けた多くの選択肢がある
(状況等)
かつて、アイルランドやポルトガル、キプロスと同様に、ギリシャもユーロ圏の各国政府から救済措置を受けた。債務が持続不可能となり、民間融資へのアクセスも事実上枯渇したため。
ユーロ圏救済基金の残高はこれを上回る4000億ユーロ。だがイタリアに対しては、ほとんど役に立たない。イタリアの経済規模はギリシャのそれの10倍であり、2.4兆ユーロの債務はフランスの歳入にほぼ匹敵する。イタリアを救済する力がない。
イタリアがデフォルトとなれば、ユーロの信用を打ち砕き、ユーロ各国のコストを上昇させることは確実だが、大きすぎるイタリアにギリシャ型の救済措置は選択肢にはない。
ただし、低迷しているとはいえイタリア経済はギリシャのそれよりもはるかに力強く、多様な基盤があり、復活に向けた多くの選択肢がある。
Q.イタリアが債務履行できなくなったら?
A.イタリアを事実上、ユーロから締め出すことになるかもしれない
(状況等)
現在、欧州委員会の政策により、イタリアは債務を減らすような予算を組むように求められている。しかし、近年はそれを達成できていなく、債務が膨らむこととなれば罰金を科すことが可能となっている。
ギリシャの場合同様、ECBはイタリア債務の格下げが行われて投資適格を満たさなければ、同国銀行による通貨ユーロへアクセスを制限する可能性がある。
投資家は高い利回りを求めるような悪循環が進み、イタリアはユーロやほかの通貨での借り入れが不可能となる。イタリアを事実上、ユーロから締め出すことになるかもしれない。
そうなる可能性はあるか?
A.大きな混乱となるため、離脱回避のインセンティブを与えることになる。
(状況等)
2つの可能性がある。
一つは、イタリア新政府が大混乱をおこさないように圧力に直面すること。生き残りに苦労するかもしれないが、急進的な道を歩まないようにする。
もう一つは、見返りとなるような希望を与えること。ギリシャ型の救済は不可能。イタリアがユーロにとどまるようにおだて、説得し、後押しする努力をおしまないだろう。
(出所:ロイター)
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