【ブログ】ドイツ銀行に生じている異変(18/6/4)


いつも訪問ありがとうございます。

杞憂に終わればよいと思うのですが、ドイツ銀行に異変が生じているのでその内容をご紹介させていただきます。

ドイツ銀行はご存知の通り、グローバルに展開するドイツ最大の銀行です。

 


ドイツ銀行の株価


ドイツ銀行の株価は昨年12月、今年1月は20ユーロあったのに対して、6月1日の株価は11.04まで下落しました。

格付け機関であるS&Pも格付けをA-からBBB+にひきさげました。(参照記事

【ドイツ証券株価(6か月)】(出所:Yahoo!ファイナンス)

なお、過去10年の株価を見るとこれまで大きく株価が下落していたことをご認識いただけるかと思います。2008年には80ドル程度の水準はあった模様です。

【ドイツ証券株価(10年推移)】(出所:Yahoo!ファイナンス)


要因


株価が下落している要因ですが、短期的な課題と長期的な課題がある模様です。

1.短期的な課題:訴訟関連費用の負担
短期的な課題としては2000年代にリーマンショックの原因ともなったサブプライム問題がありましたが、2005年から2007年におけるRMBSというサブプライム関連の証券について米司法省との間で訴訟が起きているということです。

これを受けて和解金の支払いは72億ドルで合意した模様です。

その他、マネーロンダリングの関係でロシア、米国、ドイツで調査に乗り出したこともあり、制裁金を科せられたということです。

2.長期的課題
長期的な課題としてはビジネスモデルの問題が挙げられています。

個人を相手にする商業銀行としては収益性が低い一方、法人を相手にするホールセール事業に注力するにしても、これまで資本コストのかかる債券の業務を主力としてきたことが足かせとなっている模様です。
ホールセール事業には投資銀行業務という収益率の高い株式等の引き受けなどを行うものもありますが、投資銀行業務は米国金融機関にはどうしても勝てなかったのかもしれません。

このように純金利収入への依存度の高いビジネスモデルのドイツ銀行ですが、ユーロでも金融緩和政策が行われて低金利となっていたのがドイツ銀行の業績を圧迫させたともいます。

また、ご存知の通り、金融緩和の縮小を始めて出口に向かっていたものの、最近の経済指標は軟調で金融緩和の解除ができない状態にもありそうです。
トルコ情勢南欧情勢のリスクもまだくすぶっています。


米国での現状


ロイターによると、 米連邦準備理事会(FRB)が昨年、ドイツ銀行の米国内事業を「問題のある状態」と判定していたことを取り上げています。

資本の脆弱性やリスク管理が問題とされているということです。

すでにドイツ銀行は縮小を決定していますが、欧州での事業に集中するにしてもアメリカ市場からのアクセスをなくして完全撤退することはなかなか想定しにくいです。


政府の支援は期待できない


ユーロ内でドイツはイタリアの銀行の破綻の際にイタリアが支援することを批判しており、ドイツ銀行を救済するようなことはしにくいということです。すでに、米司法省からの制裁が科されそうな際に支援を求めたらしいですが、拒否された事実がある模様です。

この先、ドイツ銀行が窮地に陥りそうになった場合、政府が支援できないとなると、ドイツ銀行の規模からしてもその影響は大きなものになりかねません。

ドイツ銀行は当然新興国、南欧、トルコでの事業展開をしているでしょうし、そこで多額の損失が生じるような事態となった場合、大規模な金融危機となる可能性も否定できません。

考えすぎだと思いますが、最近はよくドイツ銀行の記事を目にすることが多いのでご参考までにお知らせします。


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